▼バンコクの卸売市場紹介:バンスージャンクション

目次

はじめに

『バンコクの新たな仕入れスポット!古着天国バンスージャンクションへようこそ』

バンスージャンクション(通称:赤ビル)は、バンコクのチャトゥチャックマーケットに併設する大型モールです。MRTカムペーンペット駅から徒歩圏内という好アクセスながら、観光客の認知度は比較的低く、古着バイヤーや目利きが集まる本格的な市場として知られています。

市場へのアクセスは非常に便利で、MRTカムペーンペット駅から徒歩約2分で到着できます。バンコク中心部からタクシーを利用する場合は、交通状況にもよりますが、約20-30分程度で到着可能です。通称通り赤い外観が特徴的な建物ですので、初めての方でも迷うことなく辿り着けるでしょう。

このモールの最大の特徴は、タイ最大級の古着卸売市場としての規模と品質にあります。アメリカやヨーロッパの古着衣料を中心に取り扱っており、経験のある古着バイヤーからも高い信頼を得ています。一般的な観光スポットとは一線を画し、プロのバイヤーや地元の方々が日常的に訪れる実力派の買い付けスポットとして、確固たる地位を築いています。

また、バンスージャンクションの魅力は単なる規模だけではありません。古着業界では「質の良い商品が適正価格で手に入る」という評価が定着しており、特に古着事業を始めたい方や、本格的なヴィンテージアイテムを探している方にとって、まさに理想的な場所となっています。

バンスージャンクションの基本情報

バンスージャンクションの営業時間は火曜日から日曜日の10:00~20:00で、月曜日は定休日となっています。最も商品の品揃えが充実しているのは開店直後、お店によって営業日や開店時間はまちまちですが、土日のお昼前くらいにはすべてのお店がオープンしています。現地のバイヤーたちは良い商品を確保するため、開店と同時に市場に足を運びます。ただし、午後に訪れることで、より落ち着いてじっくりと商品を見ることができる利点もあります。

市場は地上6階建ての建物で構成されており、1階と2階はアンティーク家具や小物が中心で、3階から4階には多様な古着店が集まっています。6階にはフードコートがあり、買い物の合間に食事や休憩が可能です。広々とした空間に、数百件の店舗が整然と並び、それぞれが特色ある品揃えを誇っています。館内はエアコン完備で、暑い季節でも快適に仕入れを楽しめます。

価格設定は店舗によって様々ですが、タイの他の商材同様に基本的に卸売り(大量購入)の方が値引き率が高くなります。価格交渉は一般的な慣習として受け入れられていますが、すでに市場価格と比べてある程度は適正な価格設定がなされているケースが多いのが特徴です。支払いは現金が基本となりますが、一部の店舗ではクレジットカードや電子決済も利用可能です。

特筆すべきは、市場全体に漂う独特の雰囲気です。古着特有の香りと、活気に満ちたバイヤーや買い物客の声が響き渡る中で、世界中から集められた様々な年代の衣類が、新たな持ち主との出会いを待っています。また、多くの店舗オーナーは英語での基本的なコミュニケーションが可能で、海外からのバイヤーにも対応できる体制を整えています。

古着エリアの案内

バンスージャンクションの古着エリアは、その規模と品揃えの豊富さで多くのバイヤーを魅了しています。3~4階の古着フロアには、数百軒の古着ショップが軒を連ねており、各店舗がそれぞれ独自の特色を持っています。

3階には、ジャンルごとに特化した専門店が並んでいます。スポーツウェアやチーム系、ビンテージTシャツ、ミリタリーウェア、スニーカー、革靴、そしてビンテージ雑貨など、それぞれの分野に特化した店舗が集まっています。各店舗がその分野における専門性の高い品揃えを誇り、コレクター垂涎のアイテムも多く見られます。

4階は、より自由な雰囲気のフロアとなっています。大きな空間が区画ごとに分けられ、様々な古着が雑然と並べられている様子は、まさにフリーマーケットのような趣があります。3階と比較すると比較的リーズナブルな価格設定の店舗が多く、じっくりと時間をかけて掘り出し物を探すのに適したフロアとなっています。

価格帯は商品のコンディションや希少性によって大きく異なりますが、一般的な相場として、Tシャツは1枚あたり100バーツから、デニムは300バーツから、ジャケットは500バーツからと設定されています。ただし、特に状態の良い希少品や人気ブランドのアイテムは、これよりも高額になることがあります。

掘り出し物を見つけるコツ

市場での掘り出し物探しには、経験豊富なバイヤーたちが実践する独自のテクニックがあります。まず重要なのは、訪問するタイミングです。多くの店舗では週に1-2回の新商品入荷があり、その直後が最も良い商品に出会えるチャンスとなります。ベテランバイヤーに話を聞くと、特に火曜日と金曜日の開店時が新商品の入荷が多いとのことです。

商品を見る際の具体的なポイントとしては、まず全体的な雰囲気を確認することから始めましょう。古着特有の経年変化による風合いは、むしろ価値を高める要素となることがあります。例えば、デニムの自然な色落ちや、レザージャケットのエイジング具合などは、新品では得られない魅力となっています。

一方で、シミや破れ、ボタンの欠落といった着用に支障をきたす損傷については、特に注意が必要です。明るい場所で商品をしっかりとチェックし、縫い目や生地の状態を入念に確認することをお勧めします。

また、シーズンごとの特徴も把握しておくと良いでしょう。タイの気候を考慮して、10月から12月にかけては冬物衣類の入荷が増え、4月から5月には夏物の品揃えが充実します。ただし、バンスージャンクションの場合、世界各地からの輸入品を扱っているため、オフシーズンでも目当ての商品を見つけられる可能性が高いのが特徴です。

掘り出し物を見つけるためには、焦らず時間をかけて市場内を回ることも大切です。同じような商品でも、店舗によって価格設定や商品の状態が異なることがあるため、比較検討することで より良い買い物につながります。

現地でのお役立ち情報

バンスージャンクションでの買い物をより快適に楽しむため、知っておくと便利な現地情報をお伝えします。

古着の買い付けにおいて、試着は一般的ではありません。ただし、商品選びで重要なのはサイズ感の把握です。サイズ表記があっても生産国によって実際のサイズ感が大きく異なることがあります。そのため、日本人向けに販売する際の適切なサイズ感や寸法をあらかじめ把握しておくことが非常に重要です。メジャーなどの採寸道具を持参し、必要に応じて採寸することをお勧めします。

買い付けした商品の発送方法については、いくつかの選択肢があります。土曜日と日曜日であれば、併設のチャトゥチャックマーケットにある配送会社を利用して日本への直接発送が可能です。ただし、この方法は比較的割高になる傾向があります。

より効率的な方法として、バンコク市内に拠点を置く日本の代行業者を利用するという選択肢があります。買い付けを行ったお店から代行業者の倉庫に商品を直接送ってもらい、そこでまとめて発送する方法です。この方法であれば、輸送コストを抑えられるだけでなく、配送に関するトラブルのリスクも軽減することができます。各代行業者によってサービス内容や料金が異なりますので、事前に複数の業者を比較検討することをお勧めします。

市場内での決済は現金が基本となるため、両替所の場所を把握しておくことが重要です。バンスージャンクションから徒歩5分の場所にある、JJモール1階に両替所があり、銀行などよりも良い為替レートで両替が可能です。また、バンスージャンクションの正面玄関付近にはATMも設置されています。

長時間の買い物で疲れた際の休憩場所も充実しています。市場内には複数のフードコートがあり、手頃な価格でタイ料理を楽しむことができます。特に、6階のフードコートは空調が効いており、清潔で快適な環境が整っています。名物のガパオライスや冷たいタイティーは、買い物の合間の休憩に最適です。

また、市場内には清潔なトイレも完備されています。使用料は無料で、洋式トイレも設置されているため、海外からの来訪者でも安心して利用できます。

プロの目線からのアドバイス

長年バンスージャンクションで商品を見てきた経験から、特に重要なポイントをお伝えします。

まず、商品の真贋判定についてです。バンスージャンクションは信頼できる市場ではありますが、古着業界では常に偽物の混入リスクを意識する必要があります。特に人気ブランドの場合、タグやステッチの細かい部分まで確認することが重要です。例えば、ブランドロゴの刺繍の質や、ボタンの素材感、付属タグの印刷状態などが、真贋を見分けるポイントとなります。不安な場合は、その場でスマートフォンを使って本物の商品画像と比較検討することをお勧めします。

値段交渉においては、現地の商習慣を理解することが重要です。タイの市場では値段交渉は一般的な商慣習ですが、あまりに強引な値下げ交渉は逆効果となることがあります。古着の場合、まとめ買いの場合は10〜20%程度の値引きを提案するのが一般的です。また、朝一番での交渉は難しい傾向にありますが、夕方に近くなるにつれて、店舗側も柔軟な対応をしてくれることが多くなります。

リセール時の利益を考える場合、商品の状態と需要のバランスが重要です。例えば、90年代のアメリカ製ヴィンテージTシャツは、多少使用感があっても需要が高く、適正な価格で仕入れることができれば十分な利益が見込めます。一方で、比較的新しい商品は状態の良さが重要で、細かなダメージや汚れがあると大幅な値引きが必要になることがあります。

在庫管理の観点からは、定番アイテムと特殊アイテムのバランスを意識することをお勧めします。デニムやTシャツなどの定番アイテムは安定した需要がありますが、レアなヴィンテージ品は高い利益率が期待できます。ただし、後者は販売に時間がかかる可能性もあるため、在庫回転率とのバランスを考慮する必要があります。

また、商品の保管方法も重要なポイントです。購入した商品は、日本に帰った後すぐにクリーニングに出すことをお勧めします。

バンスージャンクションのまとめ

バンスージャンクションは、単なる古着市場を超えた、アジアを代表する古着の一大集積地です。ここまで詳しく解説してきたように、その魅力は多岐にわたります。

この市場の最大の特徴は、高品質な商品を適正価格で取引できる点にあります。世界各地から集められた様々な年代の古着は、その時代ならではの魅力を持ち続けています。特に、欧米からの直輸入品が多いことで、日本ではなかなか出会えないような商品との出会いも期待できます。

初めて訪れる方々へのアドバイスとしては、まず市場の雰囲気に慣れることから始めることをお勧めします。開放的な空間に所狭しと並ぶ古着の数々は、初見では圧倒されるかもしれません。しかし、焦らずじっくりと商品を見ていくことで、必ず自分好みの掘り出し物に出会えるはずです。

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